BJサンダース、アンドレード戦が中止その理由は ミドル級最前線シリーズ11

投稿者: | 2018年10月11日

 好カードが消滅した。ゴロフキン対カネロの因縁の再戦もおわり、停滞していたミドル級が一気に動き出すはずだったが、WBO世界ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース/26戦全勝12KOが薬物検査で陽性反応を示し王座剥奪の危機、急展開を見せている。

 世界選手権で優勝した経験のある技巧派デメトリアス・アンドレード(米)/ 25戦全勝16KOはプロモーションの問題があり、一時リングから遠ざかるもSウェルター級では間違いなく実力者だった。一方、サンダースもオリンピック出場経験もあり、元IBF世界ミドル級王者デビッド・レミューを一蹴しミドル級での評価を上げている。ボストンで開催することが決まり北米では地味な存在の2人だが、ミドル級無敗同士のタイトルマッチは注目されていただけに残念な結果となってしまった。

Sponsor Link

コミッションはサンダースにライセンス交付しないことを決定

 薬物検査で陽性反応を示し、結論は試合を管轄するコミッション預かりとなったが、コミッションはサンダースにライセンスを交付しないことを決定した。このままいけばサンダースはタイトル剥奪も免れることはほぼできない。2015年にタイトル獲得後3年が経過するが防衛回数はたったの3回、運に見放された王者の行方はどうなるのだろうか。

 サンダースは、2018年10月20日米マサチューセッツ州ボストンにあるTDガーデン・アリーナで、同級1位の指名挑戦者であるデメトリアス・アンドレード(米)と防衛戦を行う予定だったが、コミッションがライセンスを交付しないことにより試合は中止。サンダースはキャリア最高の報酬230万ドル(約2億6000万円)が約束されていたが、報酬を手に掴むことはできなかった。

 試合は中止となったが、すでにイベントを主宰するマッチルーム・ボクシングUSAのカジをとるエディ・ハーン氏は、サンダースが薬物検査で陽性を受けたことで、同級2位ウェルター・カウトンドクワ(ナミビア)/17戦全勝16KOとの対戦交渉を進め、カウントンドクワの米国入りのビザの手配も済んでいるという。WBO(国際ボクシング機構)はサンダースの処分を下すまで、アンドレード対カウントドクワ戦をミドル級暫定王座決定戦として開催することを認める方針を示している。

Sponsor Link

サンダースの王座は剥奪される公算が高い

 王座剥奪の危機に面しているサンダースは、WBOに対し10日以内に不服申し立てを行う権利がある。今後、サンダース側がWBOに不服申し立てをした場合、WBOの委員会で投票が行われサンダースの処分が決まるが、WBOの規定であれば王座剥奪は免れない。サンダースの王座剥奪が決まった場合、アンドレード対カウントドクワ戦は王座決定戦として格上げされることがすでに決まっている。

 サンダースは、8月30日地元英国シェフィールドでVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング機関)によって行われた薬物検査で、尿検体から禁止薬物として指定されているオキシロフリンの陽性反応を示し、サンダース陣営は、鼻づまりを抑えるスプレーの影響で故意ではないと主張。今回、検出された物質はWADA(世界アンチ・ドーピング機関)では試合前に限り禁止薬物として指定されてないこともあり、試合を管轄するマサチューセッツ・コミッション(MSAC)がどんな結論を下すか注目が集まっていた。

 実際に、オキシロフリンはWADAの規定で禁止薬物として指定されているが、競技前に限っては禁止薬物としては指定されていない。このことから、サンダースの母国英国のUKAD(イギリス・アンチ・ドーピング機関)の規定に準拠するBBBofC(英国コミッション)は処分対象としなかった。

 しかし、今回のアンドレード戦には、VADAの薬物検査が契約に盛り込まれていた。VADAの規定では、オキシロフリンは常時使用することが禁止されている。「戦うために契約書にサインする。契約には従わなければならない。彼は規定違反を犯しライセンスもない」。WBOパコ・バルカルセル会長は、サンダースの陽性反応を受け憤りを隠せない様子である。

 サンダースは2015年12月アンディ・リーのWBO王座へ挑戦し判定勝ちを収めたが、これまでの防衛回数はたったの3回、満足の行く報酬を稼いだとは到底言い難いだろう。度重なる自身の怪我や、相手都合にキャンセルはつくづく運が悪いとしか言いようがない。実に試合が決まり4回の防衛戦がキャンセル、まさに類まれに見る状況である。

 2016年4月マックス・ブルサックとの初防衛戦はサンダースがスパーリング中に怪我をした為中止。同年10月、アルツール・アカボフ戦はアカボフの書類不備が見つかり12月に延期、実に初防衛戦はタイトル獲得から12ヶ月後に行われている。

 翌年7月、指名挑戦者のアフタンティデル・クルツィゼ(ジョージア)との指名防衛戦が決まってたが、クルツィゼが米ニューヨークで、ロシア系犯罪組織の1人として逮捕され指名防衛戦は急遽中止となった。

 その後、当時3団体統一王者ゲンナディ・ゴロフキンとの統一戦の交渉が具体化するも、ゴロフキン陣営は水面下でGBP(ゴールデンボーイ・プロモーションズ)が抱えるメキシカン・アイドル、カネロとの交渉を進めビッグファイト締結により消滅した。

 2018年3月マーティン・マレー戦が決まっていたが、サンダースが直前に怪我をした為中止となっている。実際は、カネロとの再戦交渉の進捗が思わしくなかったゴロフキン陣営が、プランBとしてサンダース陣営と取引したが、破断寸前だったゴロフキン対カネロの再戦が急転直下決まり、またもゴロフキン戦は消滅。ようやく、アンドレードと100万ドルを超えるビッグ・ファイトを掴むが、掴むまえに終わってしまった。

(Via:boxingscene

Sponsor Link

ミドル級最前線シリーズはこちら

村田諒太、ブラント戦入札拒否!WBA王座剥奪の危機!ミドル級最前線シリーズ9

村田諒太(帝拳)が保持するWBAセカンド・タイトルをめぐり事態は急展開を見せている。一般的に認められていないWBAセカンド・タイトルとはいえ、苦労して手に入れたWBA世界ミドル級王座を手放す必要があるのだろうか。WBA(世界ボクシング協会)が命じたWBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)とロバート・ブラント(米)戦の交渉が決裂、村田陣営はWBAタイトルを辞さない方針を示している。 …

村田諒太、ジェイソン・クイッグリーと2度目の防衛戦か?!ミドル級最前線シリーズ8

WBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)の2度目の防衛戦は一体誰になるのだろうか。プロモーターからアナウンスがあったように防衛戦の相手はWBAランキング2位ロバート・ブラント(米)との指名戦が具体化し、交渉が順調に進んでいるかのように見えたが、ここにきて急展開を見せている。 …

ジェイコブス対デレイビャンチェンコ戦が合意!ミドル級最前線シリーズ7

ミドル級最前線は近年にない急激な動きを見せ、ジェット・コースターのように好カードが続々と決まっている。ゴロフキン対カネロの因縁の再戦も決まり、これまで不透明だったミドル級の先行きも少しずつクリアーになりそうだ。IBF(国際ボクシング連盟)が空位の王座決定戦として命じていたダニエル・ジェイコブス(米)と、セルゲイ・デレイビャンチェンコ(ウクライナ)の交渉が興行権の入札前に大筋合意した。 …

Sponsor Link

ダニエル・ジェイコブス、ミドル級最前線シリーズ6、ガンを乗り越えた男

「ボクシングをすることができないと言われたよ。もう、2度とあのリングでは戦えないのか。受け入れることができなかった。でも、俺はそれが間違いだったことを証明したよ」  ”Miracle Man”の異名を持つ男ダニエル・ジェイコブス、その人生は一言では到底語ることはできない。なぜ、”Miracle …

ジェイコブス、デレイビャンチェンコIBFが7月5日入札期限を設置!ミドル級最前線シリーズ5

一進一退の交渉が続き一時は交渉破断の危機さえあったがゴロフキン対カネロの因縁の再戦がようやく正式決定。ミドル級トップ戦線のウェイティング・サークルに入る、ダニエル・ジェイコブスの今後の行方が気になるところである。現在、空位のIBF王座決定戦の交渉が進められているが雲行きは怪しい。ミドル級の要の1人、ジェイコブスのオプションを探ってみる。 …

ゴロフキン対カネロ再戦が決定!合意の理由、交渉の勝者は?

ゴロフキン対カネロの因縁再戦が1年ぶりにメキシコの独立記念日の週末に挙行されることが正式に決定。交渉の勝者はゴロフキンだった。カネロをプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)は、タフなネゴシエーションを強いられた。 …

Sponsor Link

ゴロフキン、カネロ再戦の交渉が大詰めミドル級最前線シリーズ4

果たして、ゴロフキン対カネロ因縁の再戦は行われるのだろうか。カネロのドーピング違反からはじまり、世界的にも多くの反響があり交渉の行方に注目が集まっている。両陣営は報酬分配で、交渉の駆け引きはエスカレート、ついに痺れをきらしたゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)が歩み寄る姿勢を示している。 …

ゴロフキン、IBF王座剥奪、カネロ、村田諒太ミドル級最前線シリーズ3

ゴロフキン対カネロ再戦。一体どうなるのだろうか。ミドル級最前線の状況は急激な動きを見せている。IBFがミドル級帝王ゴロフキンの王座を剥奪した。  カネロをプロモートするオスカー・デラ・ホーヤ氏はゴロフキンとの再戦交渉決裂を示唆したが、それまで強気の姿勢を緩めなかったゴロフキン陣営がIBF王座を失ったことで、報酬分配で譲歩する姿勢を示し再び両陣営が再戦へ向け対話を再開するムードが漂っている。 …

ゴロフキン対カネロ再戦シリーズ2

因縁の再戦は消滅してまうのだろうか。世界中のボクシング・ファンが交渉の行方を見守るWBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)と、サウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)との再戦交渉はエスカレート、消滅する可能性もでてきている。 …

WBO王者サンダース次戦が延期か?!ゴロフキン対カネロ再戦の行方シリーズ

WBO世界ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)が負傷したことが分かった。サンダースはソーシャル・メディアを通じて負傷したことを明かしマーティン・マレー戦から辞退することを発表したが、プロモーターからの公式発表はまだない。  「6月23日の防衛戦から辞退しなければならない。マレー、ファンに申し訳なく思っています。すぐに戻ってきます」。 …

WBC、ゴロフキンに対しカネロとの再戦が消滅した場合チャーロとの指名戦を義務付けた!

再戦が暗礁に乗り上げたWBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)とサウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)の一戦、はやくもWBC(世界ボクシング評議会)が動きを見せている。カネロの次戦は9月、デッドラインは近い。 …

Sponsor Link